フィジーク大会まであと2週間を切りました。今の体重は66kg。正直に言うと、まだ絞れていません。
ラスト1ヶ月に入ったころ「あと5kgは落としたほうがいい」と言われてから、正直かなり焦っていました。ネットで調べても体験談ばかりで、根拠のある情報にはなかなかたどり着けません。
でも、海外の論文を6本ダウンロードして読んでみたら、自分がやっていたことのいくつかは、完全に逆方向だったことがわかりました。そして不思議なことに、それがわかってから少し落ち着けたんです。
この記事は、そこで分かったことと、僕自身がここまでにやってきたこと・失敗したことをまとめたものです。同じように焦っている人に届けばと思っています。
フィジーク大会2週間前で絞れない…減量が間に合わないと焦った話
ラスト1ヶ月が一番きつかった
夏の暑さもあったと思います。でも決定的だったのは、ラスト1ヶ月に入ったころ、大会経験者の方3人に体を見てもらったときでした。
「あと5kgは落としたほうがいい」
入賞経験のある方たちからの言葉です。そこから摂取カロリーを2,000kcalから1,400kcalに落としました。

「あと5kg落としたほうがいい」と言われて1,400kcalまで削った
そこからはずっとお腹が減っている状態が続きました。慣れていないせいもあって、しばらく本当に辛かったです。
一番きつかったのは、空腹で眠れないこと。1日3時間眠れたかどうかわからないような日が続いた時期がありました。YouTubeで対策をいろいろ調べては試していましたが、しばらくは本当にしんどかったです。
※先に書いておくと、これは完全にやりすぎでした。理由は後述します。
そもそもフィジークの絞り目安は?大会前の仕上がり基準を調べてみた
メンズフィジークの体脂肪率は3〜6%?根拠を探したら見つからなかった
まず「どこまで絞れば正解なのか」がわからないと、焦りようもないですよね。
調べてみると、メンズフィジークの大会当日の体脂肪率は3〜6%くらい、上位を狙うなら3〜5%台が現実的なライン、と書かれているサイトが多かったです。ただ、この数字がどこから来ているのかは書かれていませんでした。
実際に測ったら、自分の見立てが一番外れていた
ここで、自分のデータを出します。大会の3週間ほど前、同じ日に2つの機械で測ってみました。
| 測定機器 | 測定時刻 | 体重 | 体脂肪率 |
|---|---|---|---|
| 家庭用体組成計(両足測定タイプ) | 朝5時 | 68.75kg | 21.6% |
| InBody470(ジム) | トレ後18時ごろ | 67.7kg | 13.3% |
体脂肪率で8.3ポイント違います。
家庭用のほうの数字は、正直あまり気にしていませんでした。精度が高くないことは知っていたので、21.6%と出ても「まあそんなもんだろう」くらいの受け止めです。
こたえたのは、InBodyの13.3%のほうでした。
自分の素人感覚では「10%くらいかな?」と思っていたんです。3ポイント以上も甘く見積もっていた。これはけっこうショックでした(笑)
ちなみに、そこからさらに絞った大会12日前のInBodyがこれです。同じ機械で測り続けているので、数字そのものより「どう動いたか」を見ています。

家庭用体組成計はあてにならない?数値より「変化」を見る道具だった
じゃあ、InBodyの13.3%は信じていい数字なのか。調べてみたら、どちらも同じ原理の推定値でした。BIA(生体電気インピーダンス法)といって、微弱な電流を流して抵抗値から推定する仕組みです。
違うのは精度で、家庭用の両足測定タイプは電流が下半身しか通らず、上半身は推定になります。ただ「どちらにどれくらいズレるか」は研究によってバラバラでした。体脂肪率15%未満の男性でDXA(微量のX線で体を測る方法。研究では基準に使われるくらい精度が高い)より3%ほど高く出た報告もあれば、アスリートで4〜7%低く出た報告もある。向きすら一定していません。
その点InBodyは8点の電極で部位別に測るので精度は上です。ただ、こちらにも落とし穴がありました。
BIAの推定式は、体脂肪率15%前後の若い男性のデータから作られたもので、コンテスト体型の選手(3.6〜6.3%)とは似ていない集団から外挿されている
絞れば絞るほど、推定式の想定から外れていく。精度が高いはずのInBodyでも、僕たちがいま目指している領域は、もともと苦手なゾーンだということみたいです。しかも僕の場合は朝5時とトレ後18時。BIAは体水分量から推定するので、測定条件が違うだけでも数字は動きます。
結論としては、体組成計の「体脂肪率」は絶対値として当てにしないほうがよさそうです。ただし同じ条件で測り続ければ、変化の向きだけは追えます。僕はいま、毎朝5時に乗って体重を見るための道具として使っています。
経験者は、そもそも体脂肪率を測っていなかった
そして、これがいちばん腑に落ちた話です。
知り合いの経験者の多くは、そもそも体脂肪率を測っていませんでした。お腹をつまんで、皮膚の薄さで判断している。数字のほうはほとんど気にしていません。
教えてもらった目安がこれです。
お腹をつまんだときに、手の甲をつまんだのと同じ感触になるかどうか
比喩です。皮膚そのものは手の甲が約1.4mmで全身でもっとも薄い部類なので、お腹がそこまで薄くなることはありません。「脂肪をつまんでいる感じがなくなる」という状態の話です。
面白いのは、つまむこと自体にはちゃんと裏付けがあることでした。
スポーツの現場ではキャリパーという器具が使われます。洗濯バサミのような形で、皮膚をつまんで脂肪の厚さをミリ単位で測るものです。この厚みと体脂肪率がしっかり連動することは、研究でも確認されています。
でも、その厚みを「◯%」に変換する部分だけが当てになりません。推定式で出した数字はDXAより2〜8%低く出るという系統的なズレがあり、どの式を使うかでも結果が変わります。
つまり厚みと脂肪の量は連動しているのに、数字にした瞬間おかしくなる。だったら変換せず、厚みそのものを見ればいい。経験者がやっているのは、たぶんこれなんだと思います。
僕はまだそこには全然届いていません。足りていないのは、はっきりお腹まわりです。少なくはなったけれど、手の甲とは比べものにならない厚みがあります。

フィジーク大会2週間前に落とせる体重は約0.7kgだった
入賞者の減量ペースは思ったよりゆっくりらしい
ここからが、僕にとって一番きつい話でした。
2020年に出たフィジーク選手向けの栄養レビュー論文によると、推奨されている減量ペースは体重の0.5%/週以下だそうです。
さらに驚いたのが、この論文が引用している2018年の観察研究のデータでした。上位に入賞した男子選手の減量ペースは平均0.46%/週で、入賞できなかった選手(0.5%超)より遅かったそうなんです。速く落とした群は、除脂肪量——体重から脂肪を引いた残り、つまり筋肉や骨や水分の合計です——を失っていました。脂肪ではなく、残したいほうが減っていたということです。
僕の体重(66kg)で計算するとこうなります。
| ペース | 1週間あたり | 残り2週間で | どういう評価か |
|---|---|---|---|
| 0.46%/週 | 0.30kg | 0.61kg | 入賞者の実測ペース |
| 0.5%/週 | 0.33kg | 0.67kg | 推奨されている上限 |
| 1.0%/週 | 0.66kg | 1.32kg | 除脂肪量の損失が報告されている |
| 1.4%/週 | 0.92kg | 1.85kg | 筋量が減り、パフォーマンスも落ちた群 |
残り2週間で健康的に落とせるのは、だいたい0.7kg。
僕は完全にオーバーペースでした
そして自分の実測がこれです。
- 大会5週間前:70.0kg
- 大会2週間前:66.0kg
- 19日で−4.0kg = 週あたり約2.1%
推奨上限の4.2倍でした。論文を読んでいて、正直なところ青くなりました。僕がやっていたのは、この論文が「やるな」と書いていることそのものだったからです。
論文には、大会準備の期間中に除脂肪量を6.6kg失った選手の症例まで載っていました。
これ、かなり怖い数字です。フィジークは筋肉の大きさで審査される競技なのに、その審査されるほうを6.6kg削ってしまったということなので。おまけに筋肉が減るとエネルギーを消費する量も落ちるので、大会後に戻りやすい体にもなります。
ステージの上で一番避けたいのは「小さくて、しかも絞れてない」状態です。無理な追い込みは、たぶんそこに一直線なんですよね。
ちなみに減量は、初期・中期・末期で体に起きることも、やるべきことも変わります。そこは別の記事にまとめているので、これから減量を始める人・いま中だるみしている人はこちらをどうぞ。
▶ 減量を初期・中期・末期に分けるメリットとは?体の変化と不調対策まとめ
でも、本当の間違いはラスト2週間じゃなかった
ただ、読み進めるうちに考えが変わりました。間違っていたのは、そもそもの減量計画のほうです。
たぶん僕は、スタート時点の体脂肪を実際よりかなり少なく見積もっていました。さっき書いた「InBodyで13.3%と出たとき、自分では10%くらいだと思っていた」——あれと同じことが、減量の入り口でも起きていたんだと思います。
だから半年では足りず、終盤で帳尻を合わせるしかなくなった。「あと5kg」と言われて1,400kcalまで削ったのは、その結果でしかありません。
焦りはラスト2週間で生まれたものではなく、入り口で決まっていたんだと思います。
じゃあ入り口で何を決めておけばよかったのか。大会2ヶ月前の時点でやることは別の記事にまとめてあります。まだ2ヶ月前後ある人は、この記事よりそちらを先に読んだほうが早いです。
▶ 【フィジーク大会2ヶ月前】当日までにやること完全ロードマップ
それでも今回は、このまま行きます
じゃあ今から何をするのか。まず、カロリーを戻します。1,400kcalから、目安の下限だった1,740kcal(除脂肪量58kg×30)へ。ここから先は絞ろうとしません。
仕上がりを挽回することは、もう狙いません。この体でステージに立ちます。
残り2週間で計画をやり直しても、仕上がりには間に合いません。だったら、いま出せる全力を出して、この経験ごと来年に持っていくほうがいい。これも経験ですよね(笑)
ただ、これは真似しないでください。論文が警告しているとおりのことを、自分の判断で続けているだけです。人に勧められる方法ではありません。
同じように焦っている人に伝えたいのは、原因はたぶんラスト2週間にはないということです。残り2週間で体組成を大きく変えることはできません。それを受け入れて、なぜ間に合わなかったのかを記録しておく。そのほうが次のシーズンで効いてきます。
フィジーク選手は何キロカロリーで生活してる?減量末期のリアルな数字
「みんな何キロカロリーで生活してるんだろう」って、めちゃくちゃ気になりませんか。僕は気になりました。
調べてみると、論文は総カロリーの絶対値を推奨していませんでした。個人差が大きすぎるからだそうです。代わりに、体重あたり・除脂肪量あたりで示されていました。
僕の体重66kg、除脂肪量を約58kg(InBodyの実測から算出)として計算するとこうなります。
| 栄養素 | 推奨されている量 | 66kgでの1日あたり |
|---|---|---|
| たんぱく質 | 除脂肪量1kgあたり2.3〜3.1g | 133〜180g |
| 脂質 | 総カロリーの10〜25% | 21〜54g |
| 炭水化物 | 減量末期の実測レンジで体重1kgあたり2〜5g | 132〜330g |
そして目安として、除脂肪量×30kcalを下回らないことという記述がありました。僕の場合、約1,740kcalです。
僕は1,400kcalでした。目安を340kcal下回っています。
観察研究のデータだと、男子ボディビルダーのオフシーズンは約3,800kcal、大会前は1,600kcalまで落ちる例もあるそうです。ただこれ、「そこまで下げるべき」という文脈では出てきません。さっき書いた「除脂肪量を6.6kg失った」——つまり脂肪ではなく、残したいほうが6.6kg減った——のと同じ、警告の文脈で出てくる数字でした。
カロリーを先に決めるのではなく、体重の変化ペース(0.5%/週)から逆算する。これが正しい順序みたいです。僕はここを完全に逆にやっていました。
自分の数字を出したい人へ|そのままコピーして使えます
ここまでの数字は僕の体重で計算したものなので、そのままでは使えません。ChatGPTなどにそのまま貼れる指示文を作ったので、〇〇のところを自分の数字に変えて使ってください。
あなたはスポーツ栄養にくわしいアシスタントです。
以下の前提で、コンテスト減量の数値を計算してください。
【僕のデータ】
・体重:〇〇kg
・体脂肪率:〇〇%(測定機器:家庭用体組成計/InBody/DXA など)
・大会まで:あと〇週間
【計算してほしいこと】
1. 除脂肪量(体重 × (1 − 体脂肪率))
2. たんぱく質:除脂肪量1kgあたり 2.3〜3.1g
3. 脂質:総カロリーの 10〜25%
4. 炭水化物:体重1kgあたり 2〜5g
5. 摂取カロリーの下限の目安:除脂肪量 × 30kcal
6. 減量ペースの上限:体重の 0.5%/週。大会までに落とせる量の合計
【書き方の指定】
・体脂肪率は測定機器で大きくズレるので、1〜5は「幅」で示してください
・これは一般的な目安であり個人差があること、体調に異変があれば
医療機関にかかるべきことを最後に添えてください
ひとつだけ注意です。AIが出した数字をそのまま信じないでください。体脂肪率の入力値がズレていれば、出てくる答えも全部ズレます。
あくまで出発点として使って、あとは実際の体重の変化で答え合わせをするのが確実だと思います。2週間で体重がどう動いたかを見て、速すぎるなら少し戻す。それだけです。
【大会2週間前】健康的に間に合わせるためにやることリスト
じゃあ何をすればいいのか。論文から拾えたことと、僕が実際に効果を感じたことを書きます。
効いた|脚トレの日にリフィードを入れる
これは経験者の方に教えてもらった方法です。その人は週に1度、その日だけ炭水化物を2倍にしているそうで、僕も真似しました。
リフィードとは?(押すと開きます)
減量中に、意図的にカロリー(主に炭水化物)を一時的に増やす日をつくることです。目的は3つあるそうです。
- 減量で下がってきたホルモンを、一時的に戻す
- 筋肉のグリコーゲンを補充して、トレーニングの質を保つ
- 精神的な息抜き
チートデイとの違いは「計画されているかどうか」です。チートデイが「好きなものを好きなだけ」なのに対して、リフィードは炭水化物を、決めた量だけ増やす。中身も量も先に決めてあります。
論文では「チートミール → リフィード → ダイエットブレイク」というひと続きの選択肢のひとつとして扱われていました。右にいくほど、増やす量と期間が大きくなります。
具体的な量を聞いて驚きました。減量期でも毎食お米200g。そしてリフィードの日は毎食400gだそうです。

減量中に毎食200gでも僕からすると多いのに、その倍を入れる。しかもその方は大会で上位に入っています。大会の翌日にコンディションを見せてもらったんですが、まさに「手の甲」でした。
僕は4分割でトレーニングしています。
- 胸+上腕三頭筋
- 背中+上腕二頭筋
- 肩
- 脚
これに加えて、有酸素だけの日を1日はさんで5日で1サイクル回しています。
やっていて気づいたんですが、脚トレの次の日は疲労の蓄積がすごくて、お腹の減り方も別格なんです。そこで試しに、リフィードを脚の日に入れてみました。
やったことは単純で、炭水化物を増やしただけです。僕は普段、夜はお米を食べないようにしています。それを脚トレの日だけは食べていい日にして、あわせてほかの食事の炭水化物も多めにしました。全部で2,000kcalくらいをイメージして組んでいます。
結果はこうでした。
- 翌日の体重:変化なし(増えても減ってもいない)
- 体がすごく軽い感覚。睡眠もしっかり取れた
- さらに驚いたのが、その次の日の落ち方。いつもより減ってる?という感じになった
これは効くと思いました。そして何より、メンタルがかなり安定しました。
後から論文を読んで驚いたんですが、これ、ちゃんと理屈があったみたいです。
グリコーゲンとは?(押すと開きます)
お米やパンなどの糖質を食べると、体が使いやすい形に変えて筋肉と肝臓に貯めておくもののことです。いわば筋肉のガソリンタンク。
トレーニングをするとこのタンクが減ります。脚のような大きい筋肉を使うほど、減り方も大きい。
そしてもうひとつ大事なのが、グリコーゲンは水を抱えた状態で貯蔵されることです。1gにつき3〜4gの水を一緒に引き込む。これが「筋肉の張り」の正体で、タンクが空だと筋肉はしぼんで見えます。
まず脚の日を選んだのが理にかなっていたらしくて、筋肉のダメージはグリコーゲンの再合成を阻害するので、脚トレ後はグリコーゲンが一番枯れている=糖質を受け入れる余地が最大のタイミングなんだそうです。あの異常な空腹は、その状態の自覚症状だったのかもしれません。
「翌日は増えないのに、翌々日に落ちる」も説明がつきました。
レプチン(体脂肪の量を脳に伝えるホルモン)は、数日エネルギーを制限しただけで急に下がります。これが下がると体は「飢えている」と判断して、消費するエネルギーを節約しはじめる。減量が停滞する理由のひとつが、これみたいです。
ところが炭水化物を入れると、このレプチンが戻る。ある研究では、3日間しっかり糖質を食べたらレプチンが28%増えて、1日に消費するエネルギーが7%増えたと報告されているそうです。
要するに、炭水化物を入れると、落ちていた代謝が一時的に戻る。僕が感じた「翌々日の落ち方がいつもと違う」は、これだったのかもしれません。
別の研究では、断続的にカロリーを戻す群のほうが、平均摂取カロリーは高いのに安静時代謝の低下が抑えられたという結果も出ていました。
教えてもらって真似しただけの方法に、ちゃんと裏付けがあった。これは調べてよかったと思ったことのひとつです。
有酸素を増やすより、日常の活動量を戻す
減量が後半になると、体は勝手に消費エネルギーを下げてくるそうです。無意識の活動量(NEAT)が落ちるんですね。
なので有酸素を追加して削りにいくより、日常でこまめに動く量を維持するほうが筋肉を削らないと書かれていました。階段を使う、歩く距離を戻す、みたいな地味なやつです。
ちなみに僕が実際にやっているのは、毎日30分、歩くだけです。強度は心拍数が120を超えないくらい。友人と会話しながら歩けるスピード、と言えば伝わるでしょうか。息が上がるようなことは一切していません。
最初は階段を登るマシンを使っていました。ただ、体脂肪が落ちてくるにつれて、これがどんどんきつくなったんです。同じ30分のはずなのに、まったく別物になる。なので最近は、普通に歩くマシンに変えました。
強度を上げなかったというより、上げられなかったというほうが正直です。でも結果的に、論文が書いていた「有酸素を足して削りにいかない」に近いことをやっていたことになります。
天気がいい日は、外を30分歩きます。日差しを浴びながらのんびり歩く。これが何気に好きなんですよね。この前は筋トレのあとにビーチを歩きました。理由はわからないんですが、歩いていると勝手に気持ちが前向きになる。減量中で唯一、作業じゃない時間かもしれません。
最近は妻と、ちょうどいい散歩コースを探しています。前は気軽に行けた場所が、少し遠くなってしまったので。減量の相談をしているつもりが、いつのまにか散歩コースの話になっている。これはこれで悪くない時間です。
脚のトレーニングを早めに切り上げる
これも知りませんでした。筋肉のダメージはグリコーゲンの再合成を直接邪魔するらしいです。
論文には、ダメージが大きい場合、糖質を1日10g/kg摂っても24時間でグリコーゲンが回復しなかったケースまで載っていました。僕の体重だと1日660g。白米(1杯150gで炭水化物約56g)に換算すると12杯ぶんです。それだけ入れても戻らなかった、と。
つまり最後の追い込みで脚を潰すと、そのあとのカーボアップが効かなくなる可能性がある、ということみたいです。
脚トレは1週間前までに終わらせるのが定石と言われていますが、理由はここにあったんですね。
ちなみに「脚だけが特別」らしいです。日本チャンピオンの方が、こう言っていました。
足トレの次の日は結構むくみを気にするし体にも現れる。他の部位は特に関係ないかなって思ってます
実際その方は、大会の2日前まで背中と腕のトレーニングをいつも通りやっていました。切り上げるべきなのは脚だけ、ということみたいです。
あわせて論文が名前を挙げていたのが、筋肉が伸びた状態で強い負荷がかかる種目です。具体例としてルーマニアンデッドリフト、ダンベルプルオーバー、ダンベルフライが挙がっていました。下ろす動作でグッと伸ばされる系は、この時期は外したほうがよさそうです。
減量の締切を先に決めてしまう
2021年のピークウィークのレビュー論文に、こう書かれていました。
体脂肪は大会の2〜3週間前までに落としきり、最後は皮下の水分を減らして筋肉を最大に見せることに集中すべき
裏を返すと、大会1週間前まで減量を引っ張るのは想定されていないということです。
つまり減量には締切がある。もっと言うと、締切のほうを先に決めておくものらしいんです。
じゃあ、その締切はいつなのか。もう1本のレビュー(2024年)は、さらに早い時期を挙げていました。2本を並べるとこうなります。
- 2021年のレビュー:大会の2〜3週間前までに体脂肪を落としきる
- 2024年のレビュー:可能なら大会の3〜4週間前までに仕上げて、そこから少しずつ糖質を増やしていくのが理想
どちらの基準でも、僕はもう過ぎています。いま大会まで10日ちょっとなので。
ただ、ここで引っかかりました。これってすでに絞れている人の話じゃないのか。僕みたいに絞りが甘い人間が、締切を切って減量をやめてしまっていいのか、と。
絞れていない人こそ、締切を切るべきだった
調べ直して、考えが変わりました。逆でした。
計算するとこうなります。いま大会まで10日ちょっと。推奨ペース(週0.5%)で落とせるのはあと0.5kgくらいです。正直に言って、この0.5kgで見た目はほとんど変わりません。
一方、その0.5kgのために減量を続けると何が起きるか。グリコーゲンが枯れた状態で当日を迎えます。さっき書いたとおり、グリコーゲンは水を抱えて筋肉を張らせるものです。タンクが空のまま立てば、しぼんで見える。
つまり、こういう分かれ方になります。
- 減量を続ける → 絞れてもいないし、張りもない
- 締切を切る → 絞りは甘いけど、張りはある
絞れていない人ほど、残っているカードが少ない。だからこそ、残ったカード(グリコーゲンとパンプ)を最大化しないといけない。僕はここを完全に逆に考えていました。
ひとつだけ整理しておくと、「減量をやめること」と「カーボアップを入れること」は別の判断です。
- 締切を切るのは、絞れていてもいなくても同じ
- カーボアップの量だけを、絞り具合で調整する(甘いなら軽く)
ここを混同すると、僕がやりかけたように「絞れてないから締切も切らない」という判断になります。それが一番まずい選択でした。
というわけで、僕の締切は今日です。ここから先は「絞る」のをやめて、「整える」に切り替えます。
そして、これを読んでいるあなたが大会3週間前を過ぎているなら、あなたの締切も今日だと思います。過ぎてしまったものは戻せないので、そこから先の使い方を考えたほうが早いです。
焦りそのものが仕上がりを邪魔するらしい
これも意外だったんですが、心理的なストレスはホルモンを通じて水分の貯留を起こすそうです。極端な例では、強いストレス下で48時間のうちに9kg体重が増えた症例が紹介されていました。
焦れば焦るほど、体は水を抱え込んでぼやける。「焦らない」は精神論ではなく、生理学的な戦略だったみたいです。
僕の焦りは、途中で形が変わった
正直に言うと、これは耳が痛い話でした。僕の減量末期は、ほとんど焦りだけで動いていたからです。
きっかけは、自分の体を見たときでした。痩せてはいる。それは鏡を見ればわかる。ただ同時に、ステージに立つにはまだ全然足りないということも、なぜかはっきりわかりました。
でも僕は初出場で、判断の基準を持っていません。「まだ足りないけど、ギリギリ間に合うんじゃないか」と思っていました。それで、経験者3人に見てもらったんです。
3人とも、同じことを言いました。あと4〜5kg。
これが一番きつかったです。それまで1ヶ月3kgペースで落としていて、それでも十分きついと思っていた。そこに1ヶ月5kgと言われた。単純に、無理だと思いました。
ただ、経験者からすると1ヶ月5kgは簡単なほうらしいんです。そのための方法として言われたのが、カロリーを1,400kcalまで落とすこと。その方自身は1,200kcalで減量しているそうで、2,000kcalでやっていた僕には信じられない数字でした。
それで、やってみたら意外といけたんです。数字は上に書いたとおり、19日で4kg。(念のためもう一度書きますが、この数字は真似しないでください。結果として僕は、論文が推奨している範囲を大きく外れています)
問題はここからでした。痩せていく自分を見て、今度は別の焦りが出てきたんです。
鏡に映る自分が、どんどん細くなっていく。「細いなー」と思うようになりました。フィジークは絞りだけでなく大きさも見られる競技なので、絞れば絞るほど「小さくなっているんじゃないか」という不安が出てくる。
つまり、焦りは消えませんでした。形が変わっただけです。「絞れていない」で焦っていた僕は、絞れてきたら今度は「細い」で焦っている。
たぶん、この競技をやっている間はずっとそうなんだと思います。だとしたら焦りをなくそうとするのは無理で、やるべきなのは焦った状態でも手を出さないように、先に決めておくことのほうなんでしょうね。さっき書いた「締切を先に決める」は、そのための道具でした。
YouTubeの情報との付き合い方
僕は主にYouTubeで情報を集めてきました。登録者数が多い人を参考にしていたんですが、続けているうちに自分に合う・合わないが出てきます。
「これはやりたい」と思うものもあれば、「これは自分の生活リズムでは無理だ」というものもある。なので途中から、複数人を参考にして、真似できるところだけ真似するやり方に変えました。
1人の発信者を丸ごと信じるのではなく、部品として使う。初出場でつまずきやすいところだと思うので、書いておきます。
僕が「これは無理だ」と捨てたもの
実際に捨てたものを、3つ書いておきます。
ひとつめは、朝イチの有酸素です。半年前から朝5時起きの生活をしていますが、朝にやっているのはスクワット20回だけ。あとは情報発信と、体づくりの勉強です。このあたりに1日2時間は充てたくて、そこに30分の有酸素をねじ込む余地がありませんでした。効果を疑ったわけではなく、単純に入らなかった。
ふたつめは、大量のサプリです。金銭的にも、管理の面でも無理でした。いま飲んでいるのはマルチビタミン・クレアチン・プロテイン・オメガ3の4つだけ。それでもマルチビタミンとオメガ3はたまに飲み忘れます。これ以上増えたら確実に破綻する。やりたい気持ちはあるんですけどね。
みっつめは、固定費と手間が増えるやり方です。筋トレは何年も続けるものなので、途中でやめざるをえない金額にはしたくない。食事も同じで、なるべく妻が作る日常のご飯プラスアルファで完結させたいと思っています。自分のぶんだけ手をかけてもらうのも違うし、平日に自分で作る時間もない。
そして、これが一番大きいんですが——みんなが普通にできる範囲で、どこまでいけるのかを見てみたい。その気持ちがあります。
逆に、合ったものもある
早起きです。半年前に始めて、平日は5時、週末は6時に固定しました。体の調子が明らかに良くなりました。自由に使える時間も増えたし、毎日同じことをコツコツ積み上げている感じが、単純に好きなんですよね。
もうひとつがトレーニングの分割法です。これは逆に、いろんな人のやり方を選択肢として持っておくようにしています。刺激を変えたいときに、引き出しから選ぶ。おかげでなかなか飽きがきません。
これが「部品として使う」ということだと思っています。1人を選ぶのではなく、たくさん見て、自分の生活に入るものだけを抜き取る。
ただ、このやり方には弱点があります。自分に合うかどうかを判断するのは、結局いつも自分だということです。そして初出場だと、その判断の基準そのものを持っていません。僕が最終的に経験者3人に見てもらったのも、要はそこでした。
【大会1週間前】ピークウィークで僕がやること・やらないこと
大会前の最後の1週間は「ピークウィーク」と呼ばれていて、カーボアップや水分・塩分の調整をするのが一般的だそうです。
先に言っておくと、僕はこれを全部これから経験します。やったことがないので「やり方はこうです」とは書けません。調べた内容と、それを踏まえて自分が決めたことを書きます。
カーボアップとは?仕組みと効果を調べてみた
カーボアップは、簡単に言うと筋肉に水を引き込む作業らしいです。
前に出てきた「筋肉のガソリンタンク」を、大会に合わせて満タンにする作業だと思ってもらえれば大丈夫です。グリコーゲンは水を抱えた状態で貯まるので、タンクが満ちるほど筋肉が張って見える。
入れる量の目安は、体重1kgあたり3〜12gとかなり幅がありました。僕の66kgだと、炭水化物で1日200g〜790g。これは「上乗せする量」ではなく、その日に食べる合計です。
これを白米に置き換えるとこうなります(茶碗1杯を150g・炭水化物56gとして計算)。
- 下限(3g/kg):白米 約530g = 茶碗 約3.5杯
- 上限(12g/kg):白米 約2.1kg = 茶碗 約14杯
幅が広すぎて逆に困りますが、個人差と階級差が大きいからだそうです。
ひとつだけ、リフィードと混同しないように。さっきの経験者の方の「毎食お米400g」はリフィードで、カーボアップとは別物です。
- リフィード:減量の途中。減量を続けるために入れる
- カーボアップ:大会直前。当日に張らせるために入れる
量をそのまま比べることはできません。
カーボアップの効果は筋肉の厚みで+3〜5%。思ったより地味だった
実測されたデータが3つありました。
- 24名の選手を比較した研究で、上腕の筋厚(筋肉の厚み)が+3%。審査員による見た目の評価も、カーボアップした群だけ改善した
- 毎日測定したケーススタディでは、カーボアップ1日で筋厚の合計が+3.15%
- トップ選手1名の記録では、上半身+5%、下半身+2%
「+3%」と聞くと大きく感じます。でも実測は18.43mm → 19.01mm。増えたのは0.58mmでした。シャープペンの芯1本ぶん(0.5mm)と考えると、印象が変わりませんか。
正直、想像していたより地味でした。SNSで見る「カーボアップでバキバキになった」みたいな劇的な変化は、撮り方の要素も大きいのかもしれません。
ただ、審査が主観評価である以上、この3〜5%が順位を動かす可能性はある、というのが論文の解釈でした。
逆に、入れすぎた失敗のほうが具体的でした。日本チャンピオンの方が、こんな話をしていました。
カーボをたくさん入れてカーボアップをやったら、2〜3日後にパンパンにむくんでしまった。むくみを取るのに必死に有酸素もトレーニングもしたけど取り切れず、水を40時間抜いたりして大失敗した
日本一になる人でも、入れすぎるとこうなるんですね。「足りない」より「入れすぎ」のほうが怖いということみたいです。
絞れていないままカーボアップすると逆効果になるらしい
ここが僕にとって一番重要なポイントでした。
2020年の栄養レビューには、「カーボアップは、選手が十分に絞れている場合に限り有効な選択肢になりうる」と書かれています。
脂肪が残っている上に水と糖を乗せると、輪郭はむしろ消える。実際、絞りきれていない状態でカーボアップして、ただ食べすぎただけになったという体験談も見つけました。
まさに今の僕が該当します。
しかも、これは論文だけの話ではありませんでした。トップ選手の話を探してみたら、同じことを言っていました。
絞れてないと、そっから先のカーボアップとか何もいらないです。無意味に近い(日本選手権に出場している選手)
絞りきれてこそ、最後の最後に90点から100点に持っていくイメージ。楽して絞ろうとするなって話(メンズフィジークの日本チャンピオン)
論文と、トップ選手2人が同じことを言っている。ここまで揃うと、迷う理由がなくなりました。
初出場なら、動かす変数は1つだけにする
論文3本が、それぞれ独立に同じことを言っていました。
- 2024年のレビュー:操作する変数はできるだけ少なくすべき
- 2020年の栄養レビュー:ナトリウム(塩)・水・炭水化物のどれも減らすことは推奨しない
- 2021年のピークウィークレビュー:これらの変数に手を付けないほうが良い競技者もいる
初出場でリハーサルもしていない僕が、カーボと水と塩を全部同時に動かしたら、何が効いて何が失敗したのか一生わかりません。
なので今回は、カーボアップも意識しません。水も塩もいつも通り。何も操作しないという選択です。
といっても、絞るのをやめてカロリーを1,740kcalに戻せば炭水化物は自然に増えます。特別なことをしなくても、グリコーゲンはある程度戻る計算です。それで十分だと判断しました。
フィジーク大会前のサウナ・水抜き・塩抜きは危険?調べてわかった話
「絶対にやらないといけないこと」だと思っていた
これが今回、一番「そうだったのか」と思った部分です。
僕はずっと、水抜きは大会に出るなら絶対にやらないといけないものだと思っていました。そしてとてもしんどいという情報だけは知っていたので、正直かなり心配だったんです。
でも、調べたら効果の割にリスクが高いというのが答えでした。
経験者ですら「答えがない」と言っている
きっかけは、ある会話でした。大会で入賞経験のある方から、初出場の僕にこう聞かれたんです。
「水抜きってどうする?あれ、どうなんだろうね?」
入賞している人でも、わからない。知り合いの経験者も水抜きをやっていたそうですが、かわいそうなくらい疲弊していたと周りから聞きました。
なんだか答えがない、というイメージだったんです。それで論文を読んでみたら——研究者たちも同じことを言っていました。
水分・電解質の操作については、生理学的な理屈で語られているだけで、実証データが乏しい
現場が混乱していて、学術のほうも「わかっていない」と言っている。答えがないように感じていたのは、実際に答えがなかったからでした。
論文には救急搬送された症例が2件載っていた
2021年のレビュー論文に、実際の症例が2つ紹介されていました。
35歳の男性選手。7日間にわたって1日12Lの水を飲み、利尿剤を併用し、大会2日前から塩分を完全にカット。ステージでポージング中に脱力・めまい・筋けいれんを起こして救急搬送。
診断は高カリウム血症、低ナトリウム血症、水中毒、横紋筋融解症。要するに、血液中のミネラルのバランスが崩れて心臓のリズムが乱れ、さらに筋肉が壊れて血液に溶け出していた状態です。
26歳のプロ選手。大会の24時間前と48時間前に利尿剤を内服。夜間の多尿で5〜6kg落ちたそうです。大会翌日、動悸と四肢が動かせない状態で救急搬送。
診断は重度の低カリウム血症。カリウムが足りなくなって、筋肉が動かなくなっていたわけです。論文には命に関わる状態とも書かれていました。
どちらも回復していますが、これはかなり運の要素があると思います。
水を抜くと、筋肉の中の水も一緒に抜けるらしい
そもそもなぜ水抜きが効かないのか。ここの説明が一番腑に落ちました。
脱水がどこまで進んだかで、抜ける水の内訳が変わるそうです。
- 体重の2.2%を失った段階:抜けた水の70%が細胞外(=皮下の水分)
- 4.1%まで進むと:細胞内52% / 細胞外48%
- 5.8%では:ほぼ50:50
つまり、脱水を進めれば進めるほど、抜きたい皮下の水分と一緒に、筋肉の中の水も同じだけ抜けていくんです。
サウナについては、読んだ論文には出てきませんでした。ただ、やっていることは脱水そのものなので、同じことが起きるんじゃないかと思っています。「水を抜いたらしぼんだ」という話の正体は、たぶんこれです。
じゃあ皮下の水分だけ減らすにはどうすればいいのか。論文が示していた答えは、水を抜くことではなく筋グリコーゲンを保持することでした。グリコーゲンが保たれている間は、筋肉の中の水が守られるからです。
そのためには、グリコーゲンを大量に使う運動(高ボリュームのトレーニングと有酸素)を最終盤にやらない。結果的にこれが一番「カットが出る」操作になるみたいです。
塩抜きがカーボアップを邪魔する仕組み
塩分についても、面白い話が載っていました。
腸が糖を取り込む入り口は、糖とナトリウム(塩)をセットでしか通してくれないそうなんです。2人組じゃないと通れない改札みたいなもの(SGLT1と呼ばれる入り口です)。
つまり塩を抜くと、糖の吸収そのものが落ちる。
カーボアップと塩抜きを同時にやると、せっかく入れた糖質が筋肉に届かない可能性があるということです。さらにグリコーゲンの貯蔵と保持はカリウム依存でもあるそうで、極端な塩分制限はここのバランスも崩すと書かれていました。
「水抜き・塩抜きをしない」は、安全だからというだけでなく、カーボアップを成功させるためでもある。これを知って、僕はかなり気持ちが楽になりました。
やらなきゃいけないと思っていたものを、根拠を持ってやらないと決められた。今回いろいろ調べて、一番よかったのはここかもしれません。
トップ選手は水抜きをどう扱っているのか
論文だけでは決めきれなかったので、実際に結果を出している選手の話も探しました。3本の動画を見て、驚いたことが2つあります。
1つ目は、塩分については全員の意見が一致していたこと。
| 塩分の扱い | |
|---|---|
| 論文(Roberts 2020) | 減らすことは推奨しない |
| 日本選手権に出場している選手 | むしろ結構取る |
| パーソナル指導者 | 塩を抜いたら張り付かない |
| メンズフィジーク日本チャンピオン | 12g→7g→5g(0にはしない) |
日本チャンピオンの方は、水分を絞る調整をしながらも当日でも塩分を5g残しています。理由も話していました。
塩分をほぼ0にして大会に挑んだこともあるけど、当日に体を釣ったりすることが多い。予期せぬ出来事が起きると焦ってしまうので、日頃から塩分はしっかり取っておくのがベスト
2つ目は、「絞れていることが前提」という点も全員一致だったこと。これはさっき書いた通りです。
ただ、水分の扱いだけは分かれていました
| 前日 | 当日 | |
|---|---|---|
| 論文(Roberts 2020) | 減らすな | 減らすな |
| 日本選手権に出場している選手 | 前日・前々日に控える | — |
| パーソナル指導者 | 普段の半分 | ちょびちょび→パンプ後500ml |
| メンズフィジーク日本チャンピオン | 約1L | ほぼなし(口を潤す程度) |
日本チャンピオンが、論文と真逆のことをやっています。ここは正直に書きます。答えが出ていません。
僕がやることに決めたこと
そのうえで、僕の判断はこうしました。
- 塩分:いっさい触らない(4者一致なので迷う余地がない)
- 水分:前日だけ、喉が渇かない範囲で少し控える
- 当日:パンプ前はちょびちょび、パンプが始まったら500mlくらい入れる
日本チャンピオンのやり方を採らなかった理由は2つあります。
ひとつは、僕がカーボアップをしないから。あの水抜きが成立しているのは、カーボアップで筋肉に水を確保したうえで、余った皮下を抜いているからです。カーボアップをしないなら、確保する部分がありません。引き込む先がないまま抜くことになります。
もうひとつは、リハーサルをしていないから。あの方は何度も出場して自分のデータを持っています。僕は初出場でデータがない。同じ手順でも、結果の読みやすさが全然違います。
「喉の渇きを感じないかどうか」を目安にする、というのは指導者の方が言っていた考え方です。喉が渇いた時点でもう脱水が始まっているそうなので、そこまで行かない範囲に留めます。
フィジーク大会当日までの流れと過ごし方
ここは本当に不安な部分です。
みんな当日の朝に何か最終調整をしているんだと思うんですが、僕は何もわかっていません。食事はどうするのか。パンプアップは何をどれくらいやればいいのか。何時間前から始めるのが効果的なのか。水は飲んでいいのか、むくまないのか。
調べたことを書いておきます。
※このあと、選手・コーチ9人の動画まで広げて、当日の過ごし方をあらためて調べ直しました。パンプアップを何分前から始めるか、食事は何時間前に何を食べるかを比べた記事はこちらです。
▶ あわせて読みたい:[【初心者向け】フィジーク大会当日の過ごし方|パンプアップと食事で選手に共通する5原則]
当日が一番体重が重いという事実
さきほどの毎日測定したケーススタディに、こんなデータがありました。
| 時点 | 体重 | DXA体脂肪率 | 超音波7点法 | 筋厚の合計 |
|---|---|---|---|---|
| 8日前 | 72.45kg | 5.5% | — | 18.48mm |
| 6日前 | 73.45kg | 6.0% | 3.6% | 18.56mm |
| 3日前 | 72.64kg | 6.2% | 4.1% | 18.43mm |
| 2日前 | 73.18kg | 5.6% | 4.2% | 19.01mm |
| 1日前 | 73.45kg | 5.4% | 3.8% | 18.72mm |
| 大会当日 | 73.55kg | 6.3% | 3.6% | 18.99mm |
大会当日の体重が73.55kgで、6日間の最高値なんです。カーボアップで増えている。
「軽くなる=仕上がる」だと思っていたので、これは完全に思い込みでした。当日の朝に体重計を見て焦りそうになったら、この表を思い出そうと思っています。
パンプアップは、当日いちばん効果が大きい手段だった
論文にはっきり書いてありました。
パンプ(反応性充血)は、グリコーゲン由来の代謝産物(乳酸・無機リン酸)によって起こる。この反応は筋厚を最大10%増加させる
10%です。カーボアップの効果(3〜5%)より大きい。しかも筋腹に体液を移すことで、その周りの皮下の水分を減らす方向に働くとも書かれていました。大きく見せるだけでなく、ドライに見せる助けにもなるということです。
そして特定の部位を狙ってパンプさせて、発達のバランスを整えられるとも。弱い部位を重点的に入れる、という使い方ですね。
ここで「水は飲んでいいのか」の答えも出ます。飲んだほうがいいです。論文にはこう書かれていました。
グリコーゲンが十分でも、体の水分を減らしすぎると「フラット」になる。パンプには筋腹に移動できる体液が必要だから
パンプは「グリコーゲン」と「水」の両方が揃って初めて入る。水を抜くと、当日いちばん効く手段を自分で潰すことになります。
現場の話も同じでした。指導者の方が、こんな実例を挙げていました。
午前中にむくんでいて腹筋が見えなくなっていた選手が、パンプ中に水分を入れていったら午後には張り付いていた
目安として挙がっていたのは、パンプ開始後に500ml程度(夏場なら700mlでも可)。それまでは点滴を入れるようにちょびちょびだそうです。
当日のタイムライン|ステージ17時の場合
大会当日の様子を公開している選手の動画を3本見ました。論文には、ここまで細かい時間配分は書かれていません。ここからは実践ベースの情報です。
3本ともステージが17時前後だったので、その形で並べてみます。
| 時刻 | やること |
|---|---|
| 7:00 | 起床。すぐ体重を測る |
| 7:30 | 1食目。白米300g+赤身肉250g |
| 12:00 | 2食目。同じくらいの量 |
| 14:30 | 最後の食事(2時間半前)。おにぎりと肉を少し。ここから固形物は入れない |
| 14:30〜 | 水分を少しずつ戻す。塩も少しずつ |
| 15:00 | 会場入り・選手ミーティング |
| 16:30 | パンプアップ開始(30分前) |
| 17:00 | ステージ |
食事の中身は3人ともほぼ同じで、白米と赤身肉でした。ある選手は米300g+牛肉250gを2食。別の選手は牛肉300gだけ。普段より多めという点は共通しています。
ここで大事なのは、食事の回数に決まりはないということです。決まっているのは「最後の食事を出番の2時間半〜4時間前に置く」ことだけ。そこから逆算して、入るだけ入れる。
だからステージが10時なら、食事は2回しか入りません。回数を目標にすると、かえって失敗します。出番の時刻が分かるのは当日ということもあるので、早い場合と遅い場合の2パターンを先に作っておこうと思っています。
そして一番の収穫が、塩でした。3人とも当日は塩を「増やす」方向だったんです。
- 1日で10g戻す。うち5gはステージ直前に
- 梅干しなどで少しずつ戻す。前日も完全にはカットしない
- 当日はちまちま摂り続ける
そして論文にも、同じことが書かれていました。
塩分を減らすと血圧が下がる。血圧の低下は、ステージ前のパンプアップで得られる一時的なサイズアップに不利に働く。種目によっては、当日はむしろナトリウムを増やすほうがよいかもしれない
実践と論文が一致した、数少ない箇所です。「塩抜き」のイメージとは真逆でした。
逆に、水は真似できません。水のほうは3人とも絞っていて、ある選手はステージまで100ml。戻せそうなら200〜300mlまで、という調整でした。
ただしこれはコーチが当日のコンディションを見ながら決めている話です。初出場が自分の判断でやる領域ではないと思っています。論文も脱水は推奨していません。
それと、食べすぎるとポーズが取れなくなります。「お腹が張ると、ポーズを取ったときに腹が引っ込まなくなる」と話している選手がいました。論文にも消化・吸収できる量を超えて入れるとグリコーゲンにならないという指摘があります。入れた分が、ただ体の中に残る。入れすぎが怖い理由は、ここでも同じでした。
そして、必ず一度リハーサルすること。これは論文3本が揃って同じことを書いていました。
- 大会の2〜4週間前に「模擬ピークウィーク」を1回やると、量とタイミングの見当がつく
- カーボアップをやるなら、仕上がりに近い状態で一度試しておく
- 事前に試して、自分の反応パターンを把握しておく
当日ぶっつけで初めての食べ物を入れるのは、論文が明確に警告している行為でした(消化器症状のリスク)。
当日の判断は3パターンに分かれるらしい
論文には、大会当日の朝に自分の状態を見て判断するフローが載っていました。
張りがあって輪郭も出ている場合。何もしない。これが一番難しいそうで、不安から余計な操作を足すのが最大の失敗パターンだと書かれていました。
水っぽく、ぼやけて見える場合。炭水化物を追加しない。少量の食事にとどめて出番に向かう。ここで慌てて水を抜こうとしないこと。数時間で皮下の水分だけを抜くことはできないからです。
フラット(しぼんで見える・パンプが入らない)場合。こちらのほうが挽回できるそうです。炭水化物・水分・塩分を少量ずつ足す。
ポージングは「鏡がない」のが一番の壁だった
いま一番不安なのはポージングです。
経験者の方に動画を送ってアドバイスをもらいながら練習しています。団体の公式ポージング動画がYouTubeにあるので、それも参考にしています。今度ジムで合同トレーニングという形でも教えてもらう予定です。
ただ、鏡の前で大きく見せるのは比較的簡単なんですが、当日は鏡がありません。一番いい状態を感覚で覚える必要がある。そしてその「一番いい状態」が、経験の浅い僕にはわからない。ここが一番の悩みです。
調べたところ、練習方法は「鏡」と「映像」の2系統に分かれていました。鏡は形の確認、映像は客観視。僕に足りていないのはこの2つを繋ぐ工程——鏡を見ずにポーズを作ってから、写真や動画を撮って答え合わせをする作業みたいです。
すでに動画は撮っているので、撮る前に鏡を見ないに変えるだけで練習になります。これからはそうします。
ちなみにその鏡というのが家族で使っている洗面所の鏡でして、その前でポージングの練習をしていたら、最初はかなり気持ち悪がられました(笑)。家で練習する人は、そこだけ先に断っておいたほうがいいかもしれません。
あと、論文からの注意がひとつ。過度なポージングはグリコーゲンを消費します。追い込む練習は前日までに終わらせて、当日の出番前に消耗しないほうがよさそうです。
衣装は絶対に公式サイトで確認してください
これは実際に困った話です。
規定に「素材は伸縮タイプ/スパンデックスでないこと。ただし部分的に使われているものは可」という但し書きがありました。この「部分的」がどこまでなのか、素人には判断できません。
僕が買ったサーフパンツにもポリウレタンが少し入っていたので、メーカーに直接問い合わせました。「大会での着用実績がある」という回答をもらえて、ようやく安心できました。
迷ったら自分で判断せず、メーカーと団体に聞く。これが一番確実だと思います。
もうひとつ重要なのが、団体によって規定が真逆になることがあるという点です。ある団体は「膝まわりにゆとりが必要」、別の団体は「タイトが正解」。検索で出てくる情報が自分の団体の前提とは限りません。
衣装だけは、必ず自分が出る団体の公式ページを読んでください。
タンニングは大会4日前までに終える
これは知らなかったので書いておきます。メンズフィジークの日本チャンピオンの方は、大会の4日前にタンニングを終えているそうです。
理由は「日サロ後はすごくむくむ」から。むくみ対策で早めに切り上げているとのことでした。前日ギリギリに入れるものだと思っていたので、これは意外でした。
フィジーク大会後のリバウンド対策が本当の勝負らしい
大会が終わったあとの話も、論文にしっかり書いてありました。ここを知らないと次のシーズンが不利になるそうです。
大会直後の体は、体重を戻すよう生理学的に準備が整った状態なんだそうです。代謝が下がっていて、空腹感が上がっている。
- 数日で戻り始めるのは正常。研究では大会後3〜4週間で最大8kg戻した例も報告されています
- ただし急に戻すと「オーバーシュート」する。大幅な減量後の過食は、これは動物実験の段階ですが、脂肪細胞の数自体を増やす可能性が指摘されていて、落とした以上に戻るリスクにつながるそうです
- 目標は「1〜2ヶ月で無理なく維持できる体重まで」。オフのピーク体重まで一気に戻すのではなく、まず持続可能なところまで
- ホルモンの回復には時間がかかる。甲状腺ホルモンやインスリンは3〜4ヶ月、レプチンとテストステロンは5〜6ヶ月かかることがあるそうです
- やり方は減量期と同じ構造で、量だけ増やす。高たんぱく・高食物繊維を維持して、記録も続ける。変えるのは総量だけ
自分の数字に置き換えてみました。大会当日が66kgだったと仮定して計算しています。
| 論文が言っていること | 僕の場合 |
|---|---|
| 3〜4週間で最大8kg戻った例がある | 66kg → 74kg。減量を始める前の体重に、ほぼ逆戻り |
| 甲状腺ホルモン・インスリンの回復 | 大会から3〜4ヶ月 |
| レプチン・テストステロンの回復 | 大会から5〜6ヶ月 |
| 体の完全回復 | 大会から4〜6ヶ月 |
そして、もう1本の論文に、次の減量のスタート地点についての基準が書かれていました。
週0.5kgのペースで落とす場合、3ヶ月の準備で仕上げるには、減量開始時の体重を大会体重より6〜7kg多い程度に収めておく必要がある
僕に当てはめると、次の減量スタート地点の上限は72〜73kgです。
ここで、さっきの「3〜4週間で8kg戻る」を並べてみます。74kg。上限を超えています。
つまり戻しすぎると、それだけで次の減量が苦しくなる。「大会後が本当の勝負」というのは、こういう意味なんだと思いました。
そして、この基準で今回の自分を見返して、けっこうこたえました。
僕が体重を落とし始めたのは76.4kgからです。大会当日が66kgだとすると、10kg以上。論文の目安は6〜7kgなので、3kg以上オーバーした状態からスタートしていたことになります。
前のほうで「本当の間違いはラスト2週間じゃなかった」と書きました。その答えが、ここにありました。入り口の時点で、間に合わない量を抱えていた。半年かけても終盤で無理をすることになった理由は、たぶんこれです。
なので次に出るときは、72kgを超えたら減量を始める。これだけは先に決めておこうと思います。
もうひとつ、どうしても書いておきたいことがあります。論文に、こんな調査が載っていました。
薬物を使わない男性ボディビルダーを対象にした調査で、46%が大会後に「食べすぎが止まらなくなった」経験を報告した
半分近くです。
見た目を競う競技は、体型へのこだわりが強くなりやすく、食事の問題を抱えやすい。論文はそう指摘したうえで、必要なときに専門家へ相談できる状態にしておくことをすすめていました。
つまり意志が弱いから起きるわけではないということです。半数近くに起きているなら、それは性格の話ではなく、この競技の構造の話です。
知っておくだけで、起きたときの受け止め方が変わると思います。
家族と暮らしながら減量した半年間|僕が大会に出る理由
ここまで実務的な話ばかりだったので、最後に少しだけ僕自身の話をさせてください。
なぜ大会に出ようと思ったのか、自分でもよくわかっていない
正直なところ、一番の理由が自分でもいまいちわかっていません。何か変えたかったのかな、という感じです。
思いつく理由はいくつかあります。人生を楽しみたかった。まわりにボディメイクをしている人が何人かいて、その人たちがかっこよく見えた。
でも一番大きかったのは、ステージに立つ姿を子どもたちに見せたいということでした。仮に今回仕上がりきらなくても、挑戦している姿そのものが、子どもたちに何かいいものを与えられるんじゃないか。そう思ったんです。
義理の弟と一緒に、大会の3ヶ月半前に申し込んだ
大会の半年前から、体づくりは始めていました。ただこのときは「筋肉を増やしながら体脂肪を減らす」のが目的で、体重は75kgから76.4kgに増えています。体脂肪率だけが23%から18%に落ちました。
大会に出ると決めたのは、本番の3ヶ月半前でした。義理の弟もボディメイクをしていて大会に興味があったらしく、タイミングが合いました。そこからはお互い即決でした。
申し込んでからは、筋肉を増やす意識は捨てて、落とすことだけに集中し始めました。
後悔はまったくありません。間違いなくきついけれど、好きな自分にどんどん近づいている感覚があるからです。筋トレの効果としてよく紹介されている「メンタルが前向きになる」というやつ、あれは本当でした。
半年以上続けてきて、これがないと絶対に無理だったと思うのが家族のサポートです。
食事は自分だけ分けて、あとは妻のアレンジに任せている
食べたいもの、食べられないものを伝えて、あとは妻がアレンジしてくれています。このアレンジがかなり助かっているんです。
朝と昼は、ほぼ毎食同じもの。夕食は家族揃って食べます。
基本的にはみんなと同じものを食べているんですが、スパイスやドレッシングで味を変えてくれる。魚なら、サケではなくサバにしてくれたり。おかげで同じものを食べ続けている感じがしませんでした。
妻もダイエットの知識が少しあって、脂質が低くてタンパク質が高い食材を探してきては、小鉢に入れてくれます。ちくわとか、いかとか。かつお節に醤油をかけただけのこともあります。
それだけで、味が何倍も美味しく感じるんですよね。
減量の食事は、どうしても同じものの繰り返しになります。そこに小鉢がひとつ増えるだけで、食卓の景色が変わる。このひと手間に、毎回癒されていました。
モチベーションを高いまま保てたのは、たぶんここです。本当に感謝しています。
とはいえ、毎日必ず作ってもらえるわけではありません。妻の予定もあるし、こちらの都合もある。そういう日は自分で適当に作ります。
ただ正直に言うと、これがしんどい。買い物に行って、鶏むね肉を仕込んで、ブロッコリーを茹でて、そのあと洗い物。減量食は、作る手間そのものが重いんですよね。1日なら何とかなりますが、続くと心が折れます。
なので宅配弁当は、ずっと候補に入れています。毎日それにするのではなく、作れない日の穴を埋める道具として。
比較した記事を別にまとめているので、同じところで困っている人はどうぞ。
▶ 【2026年最新】筋トレ・ダイエット向け宅配弁当おすすめ5選!高たんぱく低脂質で徹底比較
「俺が減量してるんだから気を使え」とは絶対に言わない
ここは地味ですが、大事だと思っています。
勝手にダイエットしてるんだから、家族は関係ないんですよね。あまり気を使わせないように、極力いつもと同じ空気感を維持する努力は大切だと思っています。
「俺がダイエットしてるんだから外食なんか行くなよ」とか「気を使えよ」とか、間違っても言わないし、思ってもいません。
最後の1ヶ月はさすがに食べられるものが少なくて、家族の外食は回転寿司くらいになりました。でもそれまでは、週1回くらいは家族と外食して好きなものを食べていました。
言葉ではなく、状況が応援してくれている
妻は「頑張って」とは言いません。
そして正直に書くと、筋トレの時間は家族の時間を削って作っています。
それでも、続けさせてもらっています。食事のことも、さっき書いたとおりです。
応援している、という空気を出されたことは一度もありません。それなのに、減量を続けられる状況だけが、気づくと整っている。
言葉で背中を押されるより、こっちのほうがずっと効きました。
お酒をやめたら、車で家族と出かけられるようになった
最後にひとつ、予想していなかった変化の話をさせてください。
減量前は毎日お酒を飲んでいました。本格的に始めてからは金曜と土曜の2回に減って、減量末期に入ってからは1ヶ月間ゼロです。タバコは去年の10月にやめて、もうすぐ1年になります。
どれも辛かったんですが、そのおかげで車でお祭りに行けるようになりました。妻は助手席で優雅に飲んでいます。
車で行けるようになったので少し遠くのお祭りにも行けて、家族はけっこう喜んでいます。僕自身も散歩ができて楽しいし、家族といい時間を過ごせている感じがして、これがとても好きなんです。
これも、好きな自分に近づいている感覚がすごくあります。
減量って「失う話」として書かれがちですけど、僕の場合は得たもののほうが多かったです。いまは本当に自分のことが好きで、自己肯定感が上がっています。
まとめ|大会2週間前の焦りとどう付き合うか
論文6本を読んで、僕がやることはこうなりました。
- 減量の締切を決める。そこから先は「絞る」ではなく「整える」
- 動かす変数は炭水化物だけ。水も塩もいつも通り
- サウナ・水抜き・塩抜きはやらない。リスクが高いうえ、カーボアップも邪魔する
- 絞りが甘ければカーボアップを軽くする
- 体脂肪率の数字に振り回されない。機械が違えば8ポイントもズレる
同じように焦っている人がいたら、まず「あと2週間で落とせるのは0.7kgくらい」というところから逆算してみてください。そこがスタートラインです。焦って自分の首を絞めるのだけは、お互いにやめましょう。
今回、完璧な状態は目指していません
正直に書くと、僕はいまも仕上がっていません。「あと5kg」と言われた数字には、たぶん届きません。
でも、そこまで焦ってはいないんです。今回、完璧な状態を目指していないからだと思います。
いま出せる全力を出す。そしてその過程で見つけた「これはやっておけばよかった」「これはやっちゃいけなかった」を来年に活かす。来年からが勝負だと思っています。
初めてだからこう思えるだけなのかもしれません。でも、たぶん来年も同じことを言っている気がします。
さっき書いた通り、僕が大会に出ようと思った一番の理由は、ステージに立つ姿を子どもたちに見せたかったからでした。仕上がりきらなくてもいい。挑戦している姿そのものが、あの子たちに何かを残せると思っています。それは体脂肪率が何%だったかとは、たぶん関係のない話です。
この過程の中にいる自分が、もはや好きな自分
減量って、好きな自分に近づいていく作業だと思っていました。
でも半年やってみて、少し違うことに気づきました。この過程の中にいる自分が、もはや好きな自分なんです。近づいている途中じゃなくて、もう途中がそれだった。
だから、これだけは伝えたいです。
結果がどうであれ、チャレンジしているみなさんは素敵です。それは自分と向き合っている証拠だと思うから。
自分をもっと大切にして、自分と向き合って過ごす。そうやって人生を楽しんでいきたいです。
大会が終わったら、結果と実際にやったことを追記します。
参考にした論文・資料
- 【減量×水分】皮下水分を抜いて「水っぽさ」をなくす方法がコレです(YouTube) YouTube
- 【危険】大会前に水抜きをしている方へ伝えたいこと。(YouTube) YouTube
- カーボアップの量は?トレーニングはいつまで?伊吹主税の大会前調整方法(YouTube) YouTube
- Escalante G, et al. Peak week recommendations for bodybuilders: an evidence based approach. BMC Sports Sci Med Rehabil. 2021. PMC8201693
- Homer KA, et al. Peak Week Carbohydrate Manipulation Practices in Physique Athletes: A Narrative Review. Sports Med Open. 2024. PMC10787737
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